栽培の様子
お米一粒に自然の恵みをぎゅっと詰め込んで
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無農薬・無化学肥料
11月~2月 香りのよくなる葉っぱ 甘味を増す葉っぱ 木の実など
それぞれの植物の特徴をみきわめ、こだわりカレーのスパイスを調合するように素材を選んでいきます。お米の品種の特徴を最大限に生かせられるようにします。樹木の生育がスムーズに行われるように管理していくのも私達の役目です。
3月
堆肥作りに一年。土をつくり種をまき育て収穫するのに1年。
一回の収穫の為に丸二年かかります。
過去の自分の努力如何が問われる堆肥作りです。
一年前に作り始めた堆肥がやっとできあがりました。お米の種類や田んぼに合わせて堆肥量を変えていきます。しっとりとした堆肥を手で握り香りをかぐと、森の香りと沢山の微生物が息づく発酵の良い香りがします。堆肥だけをみても私達は「おいしそう」と感じますし、お米の出来上がりが想像できるのです。
落葉の発酵の様子 湯気が立ち昇る
田んぼに堆肥をまきます。
この加減は言葉では表現できません。田の声を聴くのです。
苗の準備もはじまります。前年に収穫した種から更に実がふっくらとして重みのある良い種を選別します。選別には塩水を使います。選別に一般的には薬剤を使用することが多いですが、私たちは薬剤は使用しません。選別後は真水に漬けて発芽を待ちます。
少しだけ芽をだした種もみ。
白い小さなふくらみがそうです。この状態を『ハト胸』と呼びます。
なんだか可愛らしい呼び名ですね。
苗をたてる為に田んぼに置きます。
苗代4月
田んぼに水を入れ田植えの準備。
苗代では苗が大きく育ってきています。
5月
種にとって自然の厳しさと優しさに身を置き、生き抜く季節がはじまりました。
「強い台風があまりこなければよいのにな。」と願いながら。
写真のように田んぼに足跡がついた風景と同じように、1300年前にも足跡を残していたことでしょう。街とは違い、田んぼの風景は収穫するとはじめと同じ景色に戻ります。
田植え6月 田に放たれ、おいしい養分と水、お日様をいっぱい吸収して、ぐんぐん成長します。
草が生えると私たちは毎日株間に頭を突っ込んで草取りをします。
除草剤は使用しません。
7月
こしひかりの開花8月 やっと収穫。
毎日行う作業は地味です。
言葉にして表現できることなどわずかです。
稲はすくすくと成長して、何の問題もなくたわわに実を付け穂を垂れる・・・。
そうなるために行われた私達の膨大な作業と代々伝えられた技こそが要です。
例えば、私達の田んぼを見た人は田んぼを見て草が生えていなくても疑問を感じません。
なぜなら世間一般的にみられる田んぼには除草剤や農薬を使うからです。その景色に慣れているから
「どうして草が生えていないのか。」なんて思いません。
私達の努力はとても地味なのです。
涼しい顔でキラキラと黄金色に輝く稲だけが知っている事なのです。